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ダニの舌下免疫療法2019.05.06

ダニの舌下免疫療法とは
 アレルギー免疫療法とは、病気の原因となるもの(アレルゲンといいます)を少しずつ体に入れて、安全性と効果をみながらゆっくり増やして体がアレルゲンに対して徐々に反応しにくい体質に変えていく治療です。食物アレルギーなどでも、アレルギー反応を起こす食物を少しずつ食べることでその食べ物に反応しにくくなり、食べられるようになることがあります。約50年前からアレルゲンを少ない量から徐々に体に入れ反応しにくくする治療が行われていました。ただ、これまでは注射による治療で行われたため、安全性や痛みのほか通院などの面で問題があり、限られた施設でしか治療がおこなわれませんでした。これらの点を改善した新しい治療法として2015年よりダニに対する舌下免疫療法が保険適応となり、さらに2018年には5歳以上の小児にも治療対象が拡大されました。
抗アレルギー薬による治療との違い
 これまでのダニアレルギーに対する治療薬は、ダニによって引き起こされるくしゃみ・鼻水・目のかゆみなどの症状を抑えるだけのものでした。一方、舌下免疫療法はアレルギー反応を起こすダニアレルゲンを少しずつ投与することでアレルギー反応を起こしにくい体質に改善し、ダニアレルゲンに曝露されたときに症状が出ないように予防する治療です。
ダニアレルギーとは
 屋内にいるダニには主にコナヒョウヒダニとヤケヒョウヒダニの2種類があります。布団やじゅうたんなどにたくさん生息しており、これらダニの粉々になった死骸やフンがアレルゲンとなり、くしゃみ・鼻水、目のかゆみなどのアレルギー症状を起こします。
舌下免疫療法の適応
 ダニアレルギーでお悩みの方、すべての方に適応があります。特に
1)症状がつらく、少しでも症状を軽くしたい、薬をあまり使いたくない、または少しでも減らしたい
2)薬を飲むと眠くなってしまう
3)小児期から発症してしまったため、今後長期にわたりダニアレルギーで悩まされたくない、あるいはあまり薬を使った治療を行いたくない、あるいは少しでも薬を減らしたい
4)高校や大学受験・進学に備えて少しでも良くしておきたい
などの方にお勧めです。
治療の適応のない方
ダニアレルギー以外の方には舌下免疫療法の適応がありません。また、以下の方も治療の適応外です。
1) 妊娠されている方、または近いうちに妊娠を希望される方
2) 重症の気管支喘息、重い心臓病、がんの治療を行っている方
3) 免疫抑制剤などで治療を行っている方
治療効果・通院期間・開始時期など
 免疫療法は唯一花粉症を治しうる治療とされております。治療を行った方の20%は治り(完治)、30%の方は非常に効果的で、30%の方は効果があります。残念ながら10-20%の方には効果は無く、全員の方に効果のある治療ではありません。
 定期的な通院が必要で、治療開始して安全に治療ができていることが確認できれば、月1回の通院となります。
 治療期間は3-5年となります。1-2年治療を行い治療の効果を確認します。効果のある方は合計4-5年治療を行います。治療効果は長く持続すると考えられていますが、中止後しばらくすると治療効果が減弱する方もいます。
 治療開始時期ですが、ダニの治療はいつからでも開始できます。ただし、スギ花粉症を合併している方は、安全に治療を行うためにスギ花粉の飛散が終わった5-6月から12月の間に開始することをお勧めします。

治療方法
 ダニから抽出エキスからできた薬を舌の下に1分間保持してから飲み込みます。この治療を初回は医療機関で、その後は毎日自宅で行います。
副作用
 口腔内のかゆみ・違和感・腫れなどの症状が出ることがあります。また、くしゃみ・鼻水などの花症状も起こることもあります(これらの症状は治療開始後1か月程度までに起こることが多いですが、1週間位で改善します)。そのほか胃腸症状や目や耳のかゆみなどもみられることがあります。理論上、ダニアレルギーの方にダニ抽出エキスで治療するため、アナフィラキシーなどのアレルギー症状の強い反応を起こすことがあります。ただし、こうした重篤な副反応が起こることはまれです。