定期接種
定期接種 公費負担でできるワクチン
ロタウイルスワクチン Link
ワクチン名
ロタリックス(ロタテック)
接種方法
経口接種(飲むだけです)
接種年齢
生後6週から24週(32週)(およそ5か月半)まで:4週以上の間隔で2回(3回)
1回目は15週(およそ3カ月半)までに済ませます(腸重積などの合併症を防ぐために、15週未満での接種が勧められております)
その他
任意接種(現在のところ自費接種で公的補助は受けられません)
ロタウイルスワクチンはどんな病気を予防するの?
こどもの下痢やそれに伴う嘔吐が起こる病気で、ウイルス性胃腸炎(一般的には嘔吐下痢症で知られています)を起こします。このウイルス性胃腸炎の中で最も重症になりやすいのがロタウイルスによる胃腸炎です。水のような下痢が何回も続き、それに嘔吐が伴うと脱水になることもあります。ロタウイルスは3-5歳ころまでに何回かかかることもあります。重症の場合は点滴しても死亡することもあります。また、繰り返すけいれんや脳炎などを起こすこともあります。感染力が強く、保育所などでもあっという間に流行します。手洗いなどは重要ですが、感染を抑えることはほとんどできません。根本的な治療がないために、ワクチン開発が望まれていましたが、欧米では数年前からワクチンが使用され、効果をあげています。
ワクチンの効果と安全性は?
ロタウイルスによる嘔吐下痢を防ぎ軽くして、点滴や入院が必要な重症例を90%ほど減らします。安全性は、世界中で調査が行われていますが、極めて高いとのことです。そのため、WHOでは2009年6月に、ロタウイルスワクチンをこどもの最重要ワクチンに指定しております。
ヒブワクチン Link
対象年齢
生後2か月以上5歳未満
接種回数
◎生後2-7か月未満に開始の場合: 4(3)~8週間隔で3回終了後、7か月経ったら早めに1回追加
◎生後7-12か月未満に開始の場合: 4(3)~8週間隔で2回終了後、7か月経ったら早めに1回追加
◎生後1歳以上5歳未満に開始の場合: 1回のみ
ヒブワクチンは何を予防するの?
ヒブ(ヘモフィルスインフルエンザ菌b型)はヒトからヒトに感染して鼻やのどの奥に生息して、お子さんの体力や抵抗力が低下したときに体にもぐりこんで重症感染症を起こします。肺炎、喉頭蓋炎、敗血症、髄膜炎などを、なかでも細菌性髄膜炎はヒブが最も頻度が高く全国で年間約600名のお子さんがかかります。このうちおよそ1/4の方に後遺症(聴覚障害、発達障害、神経学的障害)が残ります。海外では20数年前から接種され、120カ国以上で導入されています。導入後は髄膜炎などの発症者は激減しております。生後6か月以降からヒブにかかる赤ちゃんが増えますので、生後2カ月になったら早めに接種することをお勧めします。
小児肺炎球菌ワクチン Link
対象年齢
生後2か月以上9歳未満
接種回数
◎生後2~7か月未満開始の場合: 4週以上の間隔で3回終了後、60日以上あけて生後12~15カ月で追加接種
◎生後7~12か月未満に開始の場合: 4週以上の間隔で2回終了後、60日以上あけて1歳台で追加接種
◎生後1歳以上2歳未満に開始の場合: 1回終了後、60日以上の間隔で追加接種
◎生後2~9歳に開始の場合: 1回のみ
肺炎球菌ワクチンは何を予防するの?
肺炎球菌は赤ちゃんや小児の髄膜炎や敗血症、中耳炎などの原因菌です。全国で年間約200名のお子さんがかかり、1/3の方に神経学的障害が残ります。これらのワクチンは海外では十数年前から接種され、導入されたアメリカでは肺炎球菌による髄膜炎の発症者は激減しております。日本でも近年接種できるようになりました。生後6か月以降から肺炎球菌にかかる赤ちゃんが増えますので、生後2カ月より早めに接種することをお勧めします。
B型肝炎ウイルスおよびワクチン Link
接種時期・接種回数
生後2か月からヒブ、小児用肺炎球菌ワクチンなどとの同時接種がおすすめです。
◎1回目:生後2か月より接種可能
◎2回目:4週間隔をあけて接種
◎3回目:2回目より16~20週経ってから接種
以上の合計3回接種。
ワクチンは通常は生後1~2か月から接種を始めるのがおすすめです。十分な免疫を獲得するには2回目まででは不十分で、3回目の接種が大事です。また、ワクチンの効果は10-20年前後とされています。10-15歳頃に追加接種をすることが望まれます。
(母親が妊娠中に検査を行ってB型肝炎キャリアである場合は、母子感染予防として健康保険で接種できます。出産した医療機関でご相談ください)
B型肝炎およびワクチンについて
このウイルスが体に入ると肝炎をおこし、長く肝臓にすみついて(キャリア化)、肝硬変や肝臓がんをおこします。非常に感染力が強いウイルスで、感染経路はB型肝炎を持った母親からの分娩時の感染(母子感染・垂直感染)や、父親や家族や友人、ウイルスに汚染された血液の輸血や性行為などでの感染(水平感染)が知られています。しかし、子どもの場合は、知らない間にかかることも多いVPDで、WHO(世界保健機関)では、世界中の子どもたちに対して生まれたらすぐにワクチンを接種することを推奨し、ほとんどの国で定期接種になっています。
日本でも毎年大人を含めて2万人以上がかかっていると推定されています。そのために全員接種が望まれます。3才未満で感染すると慢性化しやすくなりますが、できるだけ早く接種すれば免疫もでき易く、将来の肝臓がんを予防できます。
四種混合(百日咳・ジフテリア・破傷風・ポリオ)ワクチン Link
二種混合(ジフテリア・破傷風)ワクチン Link
対象年齢
◎1期: 生後3か月から7歳6か月に達するまで
◎2期: 11歳以上13歳未満に2種混合ワクチン
接種回数
◎1期初回接種: 生後3カ月~12カ月未満に3~8週間隔で3回接種
◎1期追加接種: 初回接種終了後6ヶ月以上あけて1回接種
◎2期: 11~13歳(小学6年生)
百日咳・ジフテリア・破傷風・ポリオワクチンは何を予防するの?
百日咳は名前の通り、かかると3カ月くらい咳が続きます。特に6ヶ月以下の赤ちゃんがかかると重症化します。呼吸ができなくなったり、脳症といって脳に重い障害が残ったりすることがあります。 なかには死亡する赤ちゃんもいます。ジフテリアは、のどにつくと偽膜という膜を作り、呼吸困難・窒息を起こします。また、毒素を大量に放出して神経や心臓の麻痺をこします。致命率は約10%といわれています。破傷風は土の中にいる細菌で、けがなどで傷口から体内に侵入すると体のけいれんや麻痺(後弓反張と呼ばれる)、呼吸困難などを起こします。死亡率の高い疾患です。
BCGワクチン Link
対象年齢
1歳未満(推奨期間:生後5-7か月まで)
BCGは何を予防するの?
結核を予防するワクチンです。年間2万数千人の方が発症し、お年寄りを中心に数千人の方が死亡します。赤ちゃんが結核にかかると、結核性髄膜炎(発熱・意識障害・けいれんなどを起こして高い割合で後遺症を残したり死亡したりします)・粟粒結核(全身に結核菌が散布され、高熱で全身状態が非常に悪くなり、高い割合で死亡します)などを合併します
MR(麻疹・風しん)混合ワクチン Link
対象年齢
1歳児・年長児(1歳児は2歳になると、年長児は小1になると公費で接種できなくなります。)
接種回数
2回(1歳および年長)
麻疹(はしか)風しん混合ワクチンは何を予防するの?
はしかにかかると、2000~3000人に1人の割合で脳炎が起こって後遺症が残こる場合や、肺炎などが重症化し死亡するケースもあります。わが国でも麻疹ワクチン導入後、死亡者が激減しております。一方、風しん感染後に脳炎が3000~5000人に1人におこります。また血小板減少紫斑病が3000人に1人にみられ、治ってから数週間後に血が止まらなくなります。もっとも怖いのが先天性風しん症候群で、妊娠初期にかかるとおなかの赤ちゃんが難聴、白内障、心臓病などの奇形をもついわゆる先天性風しん症候群の子どもが生まれます。これらを予防するためにみんなで接種することが大切です。早めに受けましょう。
水痘(みずぼうそう)ワクチン Link
(保育園や幼稚園などに入園前に1回は済ませましょう!)
対象年齢および接種回数
1歳以上: 可能であれば2回接種 (推奨年齢:1歳過ぎに1回目、その後3か月経ったら2回目)
水痘ワクチンは何を予防するの?
みずぼうそうは、軽症の病気とされていますが、脳炎や肺炎、皮膚の重い細菌感染症など多くの合併症をおこし、年間約15人の方が死亡するといわれております。白血病やネフローゼ症候群の患者さん、妊婦など重症化しやすく、健康な子どもや大人も重症化する場合もあります。帯状疱疹はみずぼうそうにかかったことのある人の免疫力が下がったときにおこります。帯状疱疹後におこる神経痛は激しいことも多く予防が必要とされています。みずぼうそうワクチンを接種することでこうした合併症を軽減します。
日本脳炎ワクチン Link
対象年齢
◎1期: 生後6か月~7歳6か月に達するまで(現在平成7年4月1日以降に生まれた方は接種可)
◎2期: 9歳以上13歳未満(現在平成7年4月2日以降に生まれた方は接種可)
接種回数
◎1期初回接種: 1~4週間隔で2回接種 (標準として3歳で接種を)
◎1期追加接種: 初回接種終了後1年以上あけて1回接種
◎2期接種: 1回接種(標準として9歳で)
☆ 日本脳炎ワクチンの接種機会を逃した方も接種可能になりました
対象
A.1期3回の接種機会を1度でも逃した人
B.平成7年4月2日以降に生まれた人)で2期が済でない人
(なお問診票が手元にない方は、市保健センターにお問い合わせください。)
日本脳炎ワクチンは何を予防するの?
日本脳炎ウイルスは、アカイエカ(蚊)を媒介として感染します。ウイルスを保有する豚を刺した蚊がヒトを刺すと感染します。感染発症者の数千人に1人の割合で、脳炎を発症します。発症者は年間10名未満ですが、死亡率約15%、後遺症は約50%ともいわれております。現在、日本脳炎にたいする治療薬は無く、ワクチンが唯一の対抗手段です。発症者は西日本に多く、ワクチンを受けていない人がほとんどとのことです。東日本では比較的少ないですが、将来、お子様が東南アジアや西日本への旅行や転居の可能性もありますのでぜひ接種しましょう。
不活化ポリオワクチン Link
対象年齢
対象年齢:生後3月~90月に至るまで
接種方法
◎1期初回接種:20日~56日までの間隔をおいて3回皮下に注射
◎1期追加接種:初回接種終了後6か月以上の間隔をおいて1回皮下に注射
*標準的な接種期間
◎1期初回接種:生後3月~12月に達するまでの期間
◎1期追加接種:1期初回接種(3回)終了後12月~18月に達するまでの期間
過去のポリオワクチンに接種歴に応じた対応
◎生ポリオワクチンを2回も接種した人: 不活化ポリオワクチンの接種は不要
◎生ポリオワクチンを1回も接種していない人: 不活化ポリオワクチンを4回接種
◎生ポリオワクチンを1回接種した人: 生ポリオ後、27日以上あけて単独の不活化ポリオワクチン3回接種
◎これまで不活化ポリオワクチンを接種した人: 4回接種のうちこれまでの接種回数を差し引いた残りの回数を接種
#これまで1回または2回接種した人:20日以上あけて差引分を接種
#これまで3回接種した人:6か月以上あけて1回接種
子宮頸がんワクチン Link
対象年齢および接種回数
小学校6年生から高校1年生までの女性: 初回接種、初回接種後1(2)カ月後、初回接種後6カ月後の3回
子宮頸がんワクチンは何を予防するの?
子宮頸がんワクチン接種が可能になったことで、海外では子宮頸がんの主な原因となるHPV16型および18型の感染を未然に防ぐことができるようになりました。ワクチン接種と検診でほぼ100%予防可能な疾患となりました。日本の女性の子宮頸がん撲滅に向けて、ぜひワクチン接種をご検討ください。対象は10歳以上の女性です。性感染のリスクにさらされる前の接種が有効です。